けいおん！！ 第23話 「放課後！」/第24話 「卒業式！」

ああ、終わってしまった。けいおん！が終わってしまった。
だけど、胸に残るのは寂しさよりも清々しさで、だから、最後は笑って彼女らの卒業を祝えた事を、喜ぼうと思う。

何て言うかね。
まともな感想にならないかもだけど、逝って(苦笑)みよう。

前回の23話、｢放課後｣
否応なしに伝わってくる最後への物悲しさ。けど、そこに緊迫感、と言うか焦燥感が希薄に感じられる気はしていました。
いや、もちろん、誰もいない教室を歩いたりだとか、授業開始のチャイムを部室で聞いたりとか言うのはありました。
最後に部室で集まって唯が取り乱すシーン「だって最後なんだよ！」と。これは終わりが近づいた事を焦る事からの発言かもしれない。
けど、これはもう覚悟、と言うか「卒業」を迎える者の心境じゃないのかな、と。
彼女達については二期の序盤から主には唯が4人を代表する形で「卒業」への不安を感じ、少しずつ近づいてくる日に向けて彼女達の心情が描かれていました。これと同時進行で途中から描かれ出したのがあずにゃんの「残される者」であり「彼女達を送る者」としての心情。
ただ、唯達にはついてはこれまでの感想でも何度も述べたように、途中からある程度卒業へ向けての想いと言うのはある程度決着は付けてきています。
具体的に言えば、夏フェス回と文化祭ラスト。
止め、と言う意味では文化祭ラストの部室で号泣シーンでしょう。
で、世間でも良く言われるのがこのシーンでのあずにゃんとの対比。
この時点で梓は覚悟はしているつもりでしょう。もう、この時点で唯達の卒業はあまりにも間近に迫っており、何よりそれを唯達4人が表現していた。
でも、この時点で梓の覚悟や想いと言う物は「仮」の物でしかなかった。
彼女が意識してか無意識の内なのかは知りませんが、彼女の役目と言うのは「唯達を無事に送りだす事」。彼女達を心配させる事なく、笑って送り出すのが一番でしょう。
それを二期の途中から分かっていたからこその文化祭シーンであり、その後いざ卒業が近づいてくるにつれてその覚悟が剥がれていくのがバレンタイン回であり、そして思い直し、彼女達を心配させまいとする梓の想いが「卒業」が明日に迫った23話のそっけない態度だったのではと思います。
唯達が本気の感情を文化祭後に爆発させたのと対照的に、あずにゃんはずっとごまかしてきていた。
でも、別れはもう目の前まで迫ってきている。
ここが我々視聴者と重なる点で、このけいおん！二期がシリーズを通して張ってきた伏線が効いてくるところでもあるんでしょう。

最後の最後であずにゃんは泣きます。
「卒業しないで」と。
それが我儘でどうしようも無い事、唯達を困らせる事だと知りながら。

そして、このあずにゃんの想いに、困ることなく、答えと、そして彼女に対する感謝の気持ちを送った事が、唯達の先輩として最後にして最高の「梓に残していく物」なのだと自分は感じました。

卒業しても終わりじゃない物語。
現実ではそれは当然です。高校に限らずともですが、仮に高校ならばその後は唯達のように大学が待っていたり、社会人として社会が待っていたりともちろん物語は続いていきます。
アニメが描くのは唯達の高校三年間。だから端的に言えば、我々が見れる物語はここまでです。それは限りあるアニメと言う物では当然の事。
だけど、けいおん！！はやはりここでもその真骨頂、魅力を見せてくれました。
この23・24話の前に文化祭からいっきにクリスマス・正月を飛ばして我々に最後の時間の残酷さ、その過ぎ去る早さを印象に与えたのと同じような方法を使ってきました。
それは、この最終回の後に番外編が二話あると言う事。
ここで、この卒業で終わりではないと印象を与えるのにこれ以上はない構成なのではないでしょうか？
番外編が二話とも完全に卒業のその後を描くのかどうかは分かりませんが、そういう印象を我々に与えると言う事にしても、やはり気になる、軽音楽部の新たな主人公と言えるあずにゃんのその後。もちろん、唯達も描かれるでしょう。
監督はこの最終話に対して｢これで終わり、と言うのではなく…その後もあるんだよと言う風に作った｣と言う趣旨の発言をしていたようですが、まさしく自分が受けた印象はそれであり、そう感じた事と共に、ありがとうの言葉を伝えたい。
それは、これまでけいおん！に関わってきた全ての人へ。原作のかきふらい先生はもちろん、スタッフ、キャストの皆さん、そして、自分と同じくここまでけいおん！を楽しみに見てきた視聴者の方々。
そして、何よりもけいおん！のキャラクー、もちろんクラスメイト達モブキャラも！

この位かな、言いたい事は(笑
これまで、そして最後に唯達が残していく梓に贈った物。
終わらない物語、それを感じる事の出来る話の構成。
キャラへの愛着と、彼女達の卒業、新たな始まりを見届ける事の出来た、寂しさとそれ以上に喜び。
本当はいつまでもぐだぐだとこの物語について言葉にしていたいけど、キリがないので、今回はここまで。

さて、でも往生際悪く、もう一文だけｗ
これは完全に私情と言うか、もの凄く自分の言いたいだけの事です。
あずにゃん役のあやにゃんこと竹達彩奈さん。
ね、お節介かもしれないし、お前は何様だと言われそうだけど、凄く心配でした。
それぞれの声優さん、ラジオとか聞いたり(らじおん以外も含めて)、ライブの映像とか見たりしてるけど、一番泣きそうかなって思いまして…。ほら、お前は何様だよ！とか言われそうだけどさｗｗｗｗ
りっちゃんの中の人のしゅがも危なさそうですけどね、自分はやはり梓の立場に一番近いであろう彼女が心配でした。
当然と言えば、当然なのかもしれませんが、自分達視聴者や、もっと言えば、他のメインキャストの方とさえ一人だけ違う特別な感慨があったと思います。
この世界で一番梓に近い場所にいたからこそ、その想いの大きさ、悲しさも一番伝わってくるんじゃないかな。
でも、だから彼女の得た宝物は輝くとも思うんですよ！
大丈夫ですよね、きっと。最高の仲間といたから、きっと大丈夫。

良し、とりあえず、言いたい事は言った。思い残す事はないから、俺は消え…ねぇよｗ

最後はやっぱり、この言葉で締めるべきなんじゃないかな？

『大好きをありがとう！』